【学習塾向け】利益率が高い顧客単価の上げ方とは?
こんにちは。
株式会社Lacicuの寺田です。
突然ですが、皆さんは「顧客単価」を意識しているでしょうか?
少子化の影響などで、学習塾に通う生徒数は年々減少しています。
それと反比例するように生徒一人ひとりの「月謝」、いわゆる「顧客単価」を上げることで、学習塾は何とか以前と同じ売り上げをキープしてきました。
実際、ここ40年間で学習塾の平均月謝は約4倍になっているというデータがあり、直近10年間で見ても徐々に単価は上がり続けています。
しかし、ただ顧客単価を上げるだけでは意味がありません。
前述の通り、「顧客数」を伸ばすことが難しい中で利益を上げるためには、いかに「顧客単価」を上げ、「経費」を下げるか、つまり、いかに「利益率」を上げていくかが重要になります。
そこで今回は、まず最初に顧客単価を上げる方法を3つご紹介します。
そして、それらが塾でどのように実践でき、中でも1番利益率がよいのはどれかを考察したいと思います。
顧客単価を上げる3つの方法~紹介編~
それでは、まず最初に顧客単価を上げる3つの方法をご紹介します。
今回は
・アップセル
・ダウンセル
・クロスセル
の3つの方法を取り上げます。
〇アップセル
アップセルとは、より高い商品を購入してもらうことで顧客単価を上げる方法です。
例えば、いつもチーズバーガーを購入するお客さんに、「より肉感とボリューム感のある、ダブルチーズバーガーはいかがでしょうか。」と提案するのは、アップセルに該当します。
〇ダウンセル
ダウンセルとは、商品1つあたりの単価を下げる代わりに、より多くの商品を購入してもらうことで顧客単価を上げる方法です。
例えば、ハンバーガーを注文しようとしているお客さんに、「ハンバーガーとポテトとドリンクをセットにすると、200円引きの500円になりますがいかがでしょうか。」と提案するのは、このダウンセルに該当します。
〇クロスセル
クロスセルとは、ある商品を購入しようとしているお客さんに、併せて別の商品も購入してもらうことで顧客単価を上げる方法です。
例えば、ハンバーガーを注文しようとしているお客さんに、「ポテトも一緒にいかがですか?」と提案するのは、このクロスセルに該当します。
顧客単価を上げるには~実践編~
それでは、上記の3つの方法を学習塾で実践したときの例を考えてみましょう。
〇アップセル
学習塾でアップセルを実践すると、以下のような例が考えられます。
アップセル①
個別指導 1:2 80分 月額3万円
↓アップセル実践
個別指導 1:1 80分 月額5万円
上記の例では、授業のクオリティを上げることで、同じ授業時間に対してより高い料金をいただくことを可能にしています。
ただし、もともとの商品設計と比べると、1時間当たりの人件費での売上は下がっています。
このように、単価は高くても利益率が下がってしまう場合もあるので、講師が1時間でいくらの売上を得られるのかを考えなければなりません。
アップセル②
中学生 個別指導 1:2 80分 月謝3万円
↓アップセル実践
高校生 個別指導 1:2 80分 月謝4万円
中学生から高校生への持ち上げも、同じ顧客からより高い月謝をいただいているアップセルの1つです。
①とは違い、同じ1時間に対する売上は上がっています。
しかし、講師の人件費を対象生徒によって変えているなら、先ほどと同様に1時間当たりの売上と人件費から利益を計算して、本当に高校生指導が中学生指導よりも利益を出せているかを確認しましょう。
〇ダウンセル
学習塾でダウンセルを実践すると、以下のような例が考えられます。
ダウンセル
個別指導 週2回(月8回) 月額3万円
↓ダウンセル実践
個別指導 週4回(月16回) 月額5万円
1回あたりの授業料金を安くする代わりに、授業をたくさんとってもらって単価を上げています。
映像授業などにおいて、「1教科で1万円、5教科で3万円」というのもダウンセルに該当します。
ただしお察しの通り、同じ時間・人件費での売り上げは下がっていますので、利益率は落ちてしまいます。
また、このダウンセルは、お得感を出すことによって購入意欲を高める効果があります。
しかし、塾におけるダウンセルの場合、より多くの講座を押し売りしているように感じられてしまう場合もあるので、注意が必要です。
〇クロスセル
学習塾でクロスセルを実践すると、以下のような例が考えられます。
クロスセル
個別指導 週2回 月額3万円
↓クロスセル実践
個別指導 週2回 + 年間計画表作成・週間面談 月額5万円
弊社が提供している受験コンパスで多くの加盟校様に実践していただいているのが、実はこのクロスセルに該当します。
また、アップセルやダウンセルと異なり、クロスセルは追加で購入していただいた商品の料金がそのまま上乗せされるので、売り上げの増加が利益に反映されやすいです。
(もちろん、追加で購入いただいた商品も1時間当たりの利益を計算することが必要ですが。)
まとめ
いかがだったでしょうか。
多くの場合、上記で確認できるように「クロスセル」による顧客単価アップにおいて、高い利益率の商品設計ができると思います。
いずれの方法をとるにせよ、「単位時間当たりの利益」についてしっかり考えることが大切ですね。
また、今回ご紹介したのはあくまで1例なので、この考え方を使って別の商品設計を考えてみてください。