人口統計から見る、塾の長期的経営戦略
株式会社Lacicuの山田です。
最近数字の分析にはまっており、堅苦しいタイトルになってしまいました。
私塾界11月号に気になる数字がありましたので、そこから少し深堀してみました。
学習塾業界では近年、大きな変革が必要と言われています。
ただ、一人で経営している学習塾では、日々の業務に忙殺されてしまいがちで、長期的な目線で経営計画を立てることが難しいと思います。
「変えなければいけないのはわかっているけど・・・」といった不安を抱えながら日々過ごしている方も多いのではないでしょうか。
そんな方に、少しでも変革の一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。
年次別2018年比生徒数の割合
上記は私塾界11月号に載っていた資料になります。
特筆すべきは、2027年の小1生は、2018年に比べると生徒数が80%を切るということです。
こう見ると、少子化が塾経営に与えるインパクトを実感せざるを得ません。
特に中学生の通塾率は高止まりしているため、これ以上市場が増えることは考えにくいです。
そう考えると、10年後、20年後を生き残っていく学習塾を作るためには、何かしらの変化が必要になります。
売上のシミュレーション
「生徒数の母数が減る=売上が減る」と仮定した場合の
売上を簡単にシミュレーションしてみます。
2023年(5年後)の小4~中3の減少率の平均は3.9%です。
2028年(10年後)の小4~中3の減少率の平均は12.1%です。
2018年の月商を100万円とすると、
2028年の月商は88.9万円に減少する計算です。
このまま10年間何も手を打たないでいると、売上が10%下がり、そうすると給与も伸びません。
給与が伸びないと採用ができない、または定着しませんし、良い人材も入ってこないという負のスパイラルに陥ります。
単純に10年がんばっても給料が上がらないどころか下がるのであれば、塾長自身のモチベーションにも関わりますよね。
どのように対策するか
対策の方法はシンプルで、
■売上を上げる
■利益率を上げる のどちらかです。
■売上を上げる
「売上=①生徒数×②単価」
①生徒数を増やすための施策は、恐らく垂直展開しかないでしょう。
新たに高校部を新設することや、幼児教育や小1~小3に力を入れるかです。
最近では、内装をオシャレな形にし、営業時間外をシェアする形にして稼働率を上げるという方法もあります。
②単価については、景気が劇的に回復する見込みが薄いため、単純な値上げは難しいでしょう。
そうすると、サービスに付加価値をつけて値上げするしかありません。
逆に考えると、「勉強を教える」以外のサービスを売り出していけば単価が上げられるわけです。
■利益率を上げる
利益率を上げるために施策で有効なのは
③広告宣伝費を削る
④人件費を削る
になると思います。
③広告宣伝費を削るためには、口コミとSNSのみで集客する必要があります。
非常に難易度が高いですが、地域に密着した個人塾の場合は、利益率を高めるための施策として効果的です。
一般的には、教育業界の広告宣伝費は増加の傾向にあります。
『「教育・医療サービス・宗教」(前年比101.6%、病院・医療サービス、学校などが増加)2018年電通調べ』
④人件費を削るためには、学習指導のスタイルを検討することが必須でしょう。
個別指導のスタイルでは人件費の削減=サービスの低下になってしまうため、映像授業導入や自立学習型への移行を検討する必要があります。
最後に
人口動態の統計は、未来を予測する上で唯一確実といえるものです。
今後を考えた際に、資金的な余裕があるうちに変革をしておかないと、気づいたときには何もできない状況になってしまいます。
踏み出すとしたら、1年でも1日でも早いほうが良いのではないでしょうか。
Lacicuとしては、受験コンパスではなく、塾運営をトータルでサポートする体制を強化していきます。
具体的に言うと、
①生徒数を増やす⇒高校部の開設、強化。おしゃれな自習室の事例も色々と増えております。
②単価を上げる⇒受験コンパスによる付加価値の提供。面談力向上のサポートもしております。
③SNSマーケティング⇒全く初めての方にも、アカウント開設から運用までサポート致します。
④人件費を削る⇒自立型への移行サポート。特に、高校部と自立型の相性は非常に良いです。 などなど
様々なお悩みを解決する「受験コンパス徹底サポートプラン」について、
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今後変化のスピードが益々早くなることが予想されます。
そのスピード感に適応できる人材を育てるためにも、学習塾も変化をしていきましょう!
Lacicuは、そんな学習塾を全力でサポートしていきます。