学習塾業に係る経営力向上に関する指針について

平成31年4月1日付けで、新たな事業分野別指針として

「学習塾業に係る経営力向上に関する指針」が策定されました。

事業分野別指針とは、各大臣が、中小企業等の経営力向上が特に必要と認められる事業分野を指定し、経営力向上等の方法を示すものです。
各分野の現状や、中小企業者等の参考となる取組事項、経営力向上計画において設定が必要な指標や目標とすべき数値について定めています。

と、堅苦しく書きましたが、簡単に言うと、

「学習塾業界の経営力・生産性が低下しているので、高めるために指針と具体的な数値目標を設定し、それをクリアした学習塾に対しては、固定資産税の軽減や法人税等の特例措置、金融支援等の特例措置が受けられます」

ということですね。

これまでは、業種別指針の上位に「基本方針」が存在し、学習塾業はいわばその他大勢としてこの中に練り込まれていましたが、今回学習塾が単独の事業分野として、経営力向上に関する指針が制定されるわけです。

今回経済産業省が学習塾独自の指針を策定した背景は大きく2つあります。

1.学習塾業界が最も大きなダメージを受ける業界であること

少子高齢化が影響を及ぼすのは、ほぼ全ての産業分野にはなりますが、その中で最も大きなダメージを受けるのが教育分野、とりわけ顧客である子どもの数の減少と供給側である講師のなり手が減少する学習塾業界です。このままでは学習塾業界が徐々に体力を奪われていき、機能不全になってしまうという危機感が経済産業省にあるのではないでしょうか。

2.民間教育に活路を見出す経済産業省

以前このブログで、近年文部科学省だけでなく、経済産業省が教育分野に積極的な関与をするようになってきているという記事を書きましたが、経済産業省は日本の生産性向上の鍵は人材育成の根幹をなす教育にあると考えています。しかし、GDP比で200%を超える長期債務残高に苦しむ現在の日本にとって、公的教育にこれ以上の予算をかけることが困難である以上、学習塾を含めた民間教育分野の経営力・生産性向上を図ることが、極めて重要であるというのが経済産業省の考えです。

ある意味、経済産業省は民間教育分野に期待しているわけです。

日々業務に忙殺されている多くの中小規模の学習塾にとって、今回の指針に沿った経営力向上計画を作成、実行するのは簡単なことではないでしょう。しかし一方で、今回指針に示されている、EdTech/IT等設備への積極投資による生産性向上、設備投資や制度改定等の働き方改革を通した人材確保・育成、学習内容見直し・EdTech導入・学校連携等の「新しい学び」による差別化・市場開発は学習塾にとって必要不可欠なことであることも確かです。

 

株式会社Lacicuとしても、多くの中小学習塾様が上記のような経営問題の改善に資するような商品、サービスを提供できるよう、日々活動していきたいと考えております。

 

この記事を書いた人

Lacicu 編集部

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