ついにきた未来~バイジューズ、インドの有力進学塾買収~
「ついにきたか・・・」
朝に日経新聞を読みながら、下記記事を見つけて震えました。
【バイジューズ、インドの頭脳育成 有力進学塾買収へ】
インドのオンライン教育大手「バイジューズ」が買収攻勢に動いている。
直近では医療分野など最難関の大学受験に強い有力進学塾に食指を動かす。
インドは幼稚園年長から高校生以下の人口が2億人を超える。
オンライン教育市場は高い成長が見込まれ、別の大手でも買収の動きが活発化。
業界再編が加速するとの見方も出ている。
記事全文はこちら
電車で読んでいたのですが、完全に挙動不審で不審者でした笑
こんにちは、株式会社Lacicuの山田です。
過去コラムで学習塾がTech企業の下請けになってしまうのではないかということについて考察しました。
これがついに現実になったということです。
そりゃ震えますよ。
ヤバい点がいっぱい
バイジューズが有力進学塾「アーカシュ・インスティチュート」を10億ドル(約1040億円)で買収へー。
(中略)
アーカシュは、インドの理系の最高峰とされるインド工科大学(IIT)などエンジニアや医療の最難関大学への入学を目指す最優秀層の学生を対象とした進学塾だ。(中略)全国に200を超える教室を持ち、生徒数は約25万人に上る。
(中略)
同社のアプリは算数・数学や一般的な理科系の教科と試験対策が中心だったが、アーカシュを買収すれば、医学部受験の指導ノウハウに精通した教師やエリート学生を取り込める利点がある。アーカシュのノウハウを取り込んだオンライン教育コンテンツの開発なども考えられるほか、ブランド力も高められ、相乗効果は高い。
(中略)
創業者のバイジュー・ラビーンドラン最高経営責任者(CEO)は20年秋のイベントで「今後2~3件の買収をお知らせできるだろう」と話しており、買収攻勢は続きそうだ。
(中略)
もっとも競争は激化している。印ソーティング・ハット・テクノロジーズが運営する「アンアカデミー」も5000万人超の利用者を獲得し、バイジューズを追う。アンアカデミーにはソフトバンクグループの「ビジョン・ファンド」が出資し、同業の買収に動く。印調査会社TRAリサーチのチャンドラモウリ氏はオンライン教育は数社の大手が寡占すると予想。「業界再編は始まっており、今後2年で集約が進む」と話す。(引用:日本経済新聞 2021.1.28)
リアルとオンライン両方が強いって相当ヤバいですよね。
基本オンラインで完結しますし、どうしても人が介さないといけないところは、医学部をガンガン輩出してきた先生が対応できるという、完全無欠の状態だと思ってしまいます。
全国に200教室超、生徒数が約25万人なので、1教室あたり平均1,000人以上いることになります。
日本との規模感の違いがヤバいですね。
なのに、そんな企業の買収額が10億ドルの評価っていうのもヤバいポイントです。
単純に比較はできないですし財務状況も調べてはいないですが、競合も含めさらに買収は進みそうだなと思いました。
すでにデジタル教材会社やプログラミング教室を運営している会社など様々な企業を買収しているバイジューズが今後も買収攻勢を強めると、GAFAレベルの教育プラットフォームができます。
利便性が確実に上がり、変化のスピードがさらに加速するでしょう。
英語圏での教育レベルが飛躍的に上がりそうですね。
学校でもバイジューズのサービスが使いたいという理由で、英語を公用語とする学校がでてきたらおもしろいな。。なんて思ったりします。
日本の教育業界はどうなる?
世界的なコロナの影響で、オンライン教育の流れは非常に加速しているのは周知の事実で、しかも不可逆的な動きだと思います。
さて、日本の教育はどれぐらい変化したでしょうか?
もっというと、学習塾を運営されている方はこの1年間で何を変えましたか?
これだけ外部環境が変わっているにも関わらず、
コース設計や提供サービスなどに変化のない塾が多いように感じます。
確実に教育に対するニーズが変化しているのです。
何も変化しなければ、生徒数が減少するのは当然ですよね。
過去のコラムでも言及していますが、サプライヤーの力が強まれば、相対的に学習塾の立ち位置が下がります。
極端な話をすると、このままオンライン教育の寡占化が進むと
学習塾に行く必要がなくなっていく可能性が高まるのです。
少子化が進んでいる日本で、その流れが広まると最悪です。
今のままの事業形態で大丈夫なのか?
2年先を生き残るために何をしなければならないのか?
まだ見ぬ未来へのワクワクと危機感が同時に襲ってきたため、電車内で挙動不審になってました笑
教育業界に生きる方は一度考えてみてください。
時代の変化のスピードは、間違いなく加速しています。
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