【面談の極意 Part5】コーチングの原則
コーチング5つの原則
普段、何気なくとっている生徒とのコミュニケーションですが、効果的なものになっているでしょうか?
コーチング・コミュニケーションの原則を、キャッチボールに例えて説明していきます。
【原則① 始めようという意図がある】
まず、どちらかが「キャッチボールを始めよう」という意図を持つ必要があります。
意図があってはじめて、コミュニケーションは成り立ちます。
コミュニケーションは、それを始めようとする人が持つ、内側からの「伝えたい」「関りをつくりたい」という欲求から生まれるのです。
【原則② 相手の同意がとれている】
相手がコミュニケーションをとることに同意している必要があります。
当たり前のことのようですが、相手がコミュニケーションを交わす準備ができていないのに、一方的にボールを投げつけておいて、「相手が応じてくれない」と非難している人は、決して少なくありません。
【原則③ 会話を続けることに対する同意がある】
「コミュニケーションを交わし続けることに同意していること」これも非常に重要です。
つまり、途中で意見が合わなくなったり、感情的になったりしたとしても、「会話を続ける」という同意です。
途中で一方的に会話を止めてしまったり、攻撃的になったりするのは、コミュニケーションを交わすことに対する同意がないといえます。
【原則④ 向き合う(コンフロンテーション)】
コミュニケーションを交わすためには、コミュニケーションを交わす相手と向き合わなければなりません。
このような状況を、コンフロンテーションといいます。
人と向き合うことで私たちは、目の前にいる相手だけでなく、自分自身にも直面します。
そこに今の自分の「ありのまま」が映し出されることもあるでしょう。
人と向き合って、コミュニケーションを交わすときには、常に「自分という人間がはっきりしてしまう」というリスクがあります。
しかし、向き合い、直面することによってのみ、私たちはコミュニケーションをつくり出すことができるのです。
【原則⑤ 適切な距離を保つ】
コミュニケーションを交わすためには、相手との距離感が重要です。
遠すぎても近すぎてもコミュニケーションを円滑に交わすことはできません。
キャッチボールと同様、適度な距離感があってはじめて、コミュニケーションが可能になります。
この距離感は、日々の観察や実践によって磨かれていくものです。
相手を観察し、相手が許容する範囲で近づく。自分の緊張の度合いも測りながら、コミュニケーションをとっていく。この感覚が働かないと、距離を取りすぎたり、逆に近づきすぎたりして、いずれも心を開いたコミュニケーションを生み出すことができません。
子どもを自分の分身のように思いこんでいる母親は、子どもと円滑なコミュニケーションを交わすことができません。部下を自分の手足のように思いこんでいる上司は、部下との適切なコミュニケーションを図ることができません。コミュニケーションにおいて、距離感は大きな意味を持っているのです。
さいごに
生徒とのコミュニケーションで勘違いが多いのが、「生徒への声掛け」と「面談」を混同してしまうことです。
両方コミュニケーションであることには違いないのですが、「生徒への声掛け」においては、原則の①~③が圧倒的に欠けていることがおわかりいただけると思います。
「Teaching」から「Coaching」へ、と言われるようになって久しいですが、コーチングを実施するにはこれらの原則を守る必要があります。
特に、受験コンパスで「面談」を料金設計に組み込んでいく場合は絶対と言ってよいでしょう。
先生と生徒が決まった時間に「面談」を実施することで、原則①~③を守ります。
さらに、1対1の状況を約束することで、原則④、⑤に集中することができます。
「決まった時間」+「1対1」=面談の条件
だと考えるようにするとわかりやすいと思います。
実はオンラインだとこれが自動的に達成されますので、おすすめです。
生徒との面談がなかなかうまくいかないという方は、上記の原則が守れているかどうかを改めて振り返ってみてください。