【面談の極意 Part3】「信頼」が塾の生き残りに関わる!?

株式会社Lacicuの山田です。

コロナウィルスのおかげ(?)で、遠隔授業などのオンラインを使用した指導形態がにわかに活気づいています。
人間、やらざるを得ない状況にならないと動かないという良い事例ですね。
異業界の企業でも、急に在宅勤務が解禁になったりと、大きな転機になりそうです。

さて、学習塾ではオンラインでの対応が一般になって生徒の利便性が上がる半面、塾に通うことの必然性が薄れてしまうことが懸念されます。
オンライン家庭教師のサービスも非常に充実してきており、家賃がない分費用も安いため、今回の騒動でオンラインへの抵抗感がなくなった生徒や保護者は、そちらに乗り換えてしまうことが予想できます。

この仮定に対し、どのような戦略をとるかが、今後5年後に生き残っている塾かどうかを分けるような気がします。
では、塾に戻ってきてもらうためには、何をしていけばよいのでしょうか?

利便性・経済性において、オンラインには勝ち目がありません。
リアルである学習塾が勝っている部分、それは「信頼関係」が創りやすいところだと思います。

では、信頼関係を創るにはどうすればよいでしょうか?

 

信用と信頼の違いとは?

予防医学研究社でマネジメントに関する著作もある石川善樹さんが、「信頼と信用の違い」について言及されていました。
石川さんによれば、信用とは「相手への理性的な判断」であり、信頼とは「相手との感情的な結びつき」だと仰っていました。非常にわかりやすいと思います。

例えば、学習塾における合格実績は、信用があるかないかの判断です。
その塾が毎年輩出している合格校、人数という客観的な数字をもとにする、理性的な判断です。
「大手予備校は〇〇人東大生を出しているから、信用できる」
ここで信頼という言葉はあまり使わないと思います。

入試に生徒を送り出すとき、先生方は何と言って送り出しましたか?
「みんなを『信用』してるから!」よりも、「みんなを『信頼』してるから!」のほうが似つかわしいと思います。
模試などのデータも重要ですが、辛いことを乗り越えてがんばってきた姿を見ているという、感情的な結びつきほうが強いからではないでしょうか。

生徒を「信用している」と言うときは、生徒の過去の実績に基づき、理性的な判断をもって「信用できるか否か」を表現しているということになります。

一方、「信頼している」と言うときは、相手との間に作り上げた関係性に基づき、「人」として相手を「信じる心」を持っているということです。

客観的な利便性や実績で、「信用」を比較された場合、今後塾はますます不利になっていくと思います。
ですので、感情的な結びつきを作りやすい「信頼」をどのように創っていくかが、学習塾が生き残る上で非常に重要になってきます。

 

「信頼関係」の創り方

では、信頼関係を創るには何をすればよいでしょうか。
結論から言うと、私は信頼関係を創るには「異論反論」が許されるかどうかが重要だと考えます。

「信頼」「信用」のほかにも、「信仰」というものもあります。

「あの先生の言うことを聞いていれば大丈夫」
昔の予備校の先生はこのタイプが多かったのではないでしょうか?
ここで考えて欲しいのですが、「信仰」は異論反論を許さない関係性だと思います。
異論反論しようがないという意味では映像授業もここに含まれると思います。

信頼関係が成り立っているところでは、「異論反論」が許される。
言い方を変えれば、生徒が異論反論を唱えてくる。
それによって生徒に対する信頼が崩れるようでは、その程度の信頼だったということになります。

先生は、生徒の異論反論に耳を傾けるべきであり、異論反論が許されてはじめて、生徒は本当の意味で先生を信頼します。
この「なんでも話していいんだ」という関係性をつくりながら、信頼はより強く醸成されていくのではないでしょうか。

 

リアルで接することができる学習塾の強み

この「異論反論」が、ある意味で信頼関係に対するテストになると思います。

自分の塾では、異論反論を唱えてくる生徒がどれぐらいいますか?
そしてその生徒に対して、どのように対応していますか?

生徒との信頼関係があれば、一連の騒動が落ち着いた後でも生徒は残ってくれるはずです。
今後ますますテクノロジーが発達し、塾に通う必然性が薄れた際に、生き残っている塾というのは「信頼関係」を築けている塾ではないでしょうか。

生徒の異論反論を避けたり、潰したりせずに、しっかりと受け止めるという対応をより意識していきたいですね。

 

この記事を書いた人

Lacicu 編集部

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