【面談の極意 Part2】コーチングとティーチングの違い

株式会社Lacicuの山田です。

成果をあげているリーダーは、従来の育成法である「ティーチング」ともう一つの育成手法である「コーチング」を適切に、効果的に使い分け、時には両者を合わせて使うという試みをしています。

最近はコーチングにも注目が集まっていますが、ティーチングとコーチングのそれぞれのメリット、限界を理解して使い分けができるようになりましょう!

 

どんなときにコーチング?どんなときにティーチング?

コーチングとティーチングのどちらを適用するかは、相手に求められるタスクの重要度や生徒が持っている能力によって異なります。

塾に通う生徒をイメージして、ケースを考えてみます。

 

<A領域>

わかりやすく言うと、テスト間近なのに全くと言えるぐらい勉強をしていない生徒です。
この場合は、双方向の対話によって気づきを与えるコーチングをしている暇がありません。

テストの点数を上げるためには、一方方向で生徒に知識・経験を伝えるティーチングが効果的です。

 

<B領域>

テストが2週間前に迫っており重要度が高く、生徒の能力が高い場合はコーチングが適しています。

目標は何に設定するのか、そのために何を、どれぐらい、どうやってやればよいのか、相手に問いかけることでコミットメントを高めることができます。

 

<C領域>

重要度・難易度が低いことをスキルが高い人が行う場合、一般的には一任してよい領域と言えます。

余力がある場合や、新たな取り組みやさらなるバージョンアップをしたい場合などは、コーチングを取り入れるのも良いと思います。

 

<D領域>

次の定期テストや模試までに時間がある場合は、生徒にとっては重要度や緊急度が低くなります。
勉強する習慣がついていないような生徒の場合はどうすればよいでしょうか。

本人の自発性を促進し、自ら考え、自ら行動する力を養う目的で、コーチングを用いるのもよいでしょう。
他のイベント(検定試験や部活など)の優先順位などによっては、ティーチングを選んでもよい領域です。

 

では、ティーチングとコーチングを適切に使い分けるにはどうしたらよいでしょうか?
それぞれの特徴についてみてみましょう。

 

ティーチングのメリットと限界

<メリット>

・一度に大勢の人数を育成できる
・やり方や価値観の統一を図ることができる
・早いスピードで育成できる

<適した場面>

・塾内のルールを徹底させるとき
・基本的な知識を教えるとき
・緊急性が高い場合

<限界>

・先生の知識や経験に左右される
⇒先生が持っていること以上を伝えたり、引き出したりできない

・生徒の個性は活かされない
⇒先生と違うタイプの人にとっては、役に立たなかったり、苦痛を伴う場合がある

・生徒を受け身にさせる
⇒成功しても自信につながりにくく、失敗した場合は責任転嫁する場合がある

一方通行というコミュニケーションスタイルゆえに、「本人の中にあるもの(やりたいことなど)」「価値観」などを引き出すことにはあまり向きません。
ただ、同時に大勢の相手に同じ内容を学ばせることに優れており、スピード感を求められる時にも有効です。

 

コーチングのメリットと限界

<メリット>

・生徒の考える力を育て、自発性や応用力、再現性を高められる
・生徒の可能性を引き出すことができる
・生徒の個性を活かすことができる
・生徒の学習力自体を上げることができる

<適した場面>

・生徒の中にしかない情報やリソースにアクセスしたいとき
・答えを見つけるプロセスを学習させたいとき
・目先の答えだけを与えたくないとき
・自発的な行動を促したいとき

<限界>

・ある程度の時間がかかる
・一度に大勢を育成するのは難しい
・方法や価値観が多様化するので、対応やマネジメントが複雑になる
・生徒に全く知識や経験がないと難しい

基本的に、緊急事態などスピード最優先のときには、コーチングはあまり向かないと言えます。
ただ、初めは時間や労力がかかったとしても、結果的に、多様性や主体性が育ち、最終的にはスピードアップや高い成果に結びつく可能性が高いことも目を向けるべきでしょう。

注意しなければならないのが、生徒に全く知識や経験がないときです。
このとき、無理にコーチングをしても、何も出てきません。むしろ、相手は苦しさや反発を感じたり、自信を失ったりしかねません。
本人にある程度の知識や体験、もしくは想像力でカバーできる疑似体験があるかを見極めて、コーチングを用いる必要があります。

 

どんな指導がしたいですか?

パッと比較すると、恐らく多くの先生方がコーチングのほうが魅力的に感じるのではないでしょうか。

ただ現実的には、
・基礎的な知識のない生徒がほとんど
・部活やテストに追われていて時間がない
といった理由から、ティーチングが必要な場面のほうが多いと思います。
この理想と現実のギャップをどのように埋めて指導するかが、先生の腕の見せ所ではないでしょうか。

 

これからの先生に必要な能力としては、

・なるべく無駄なく知識を伝えられる指導力
⇒先生のマンパワーではなく、映像授業等を効率的に使わないと不可能

・先生の幅広い視野や知見
⇒価値観が多様化するため、様々なケースに柔軟に対応できる知識や経験が必要

が重要になってくるのではないでしょうか。

これからの学習塾の在り方も、ティーチング専門の塾、コーチング専門の塾などの多様性がもっとあってもよいと思います。
ただし、良いもの取り入れるだけだと自塾の良さが薄れてしまうこともあります。
今一度、どんな指導をしていきたいか?どんな生徒を育てたいか?を考えてみてはいかがでしょうか。

Lacicuではコーチングの研修も実施しています。
自分がコーチングを受けたい、生徒に受けさせたいなど、興味がある方はお気軽にお問合せください!

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この記事を書いた人

Lacicu 編集部

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