統計データで見た学習塾の未来 PART2
いつも弊社HPを見ていただきありがとうございます。ラシク代表の服部です。前回好評頂いた、統計データで見た学習塾の未来のPART2を書かせていただきます。
※前回コラム、統計データで見た学習塾の未来はこちら
経済産業省平成30年特定サービス産業実態調査が、発表されました。今回は、5年前の2013年、1年前の2017年、最新の2018年の比較をしていきたいと思います。
法人学習塾は増加、集団指導も増加傾向!?
上記表は、学習塾教室数を表しています。
2013年→2018年の5年間で3800教室減少しています。減少率は7.5%です。
全体的に、教室数が減少傾向ですが、2017年→2018年で法人塾は、増加しています。法人教室が増えているのは、今までのような町塾から経営力が必要な塾に変化が起っているようですね。もう一つ、集団指導の教室が2017年から2018年にかけて教室数が増えています。集団指導ブームが来ているのでしょうか?
集団指導が増えている理由については、後ほど考察していきます。
では、もう少し掘り下げていきましょう。
生徒数が大幅減少。高校生の集団のみ生徒数増
それでは、生徒数についてはどうでしょうか?
まず総計の数字をみてください2013年から5年間で98万人通塾生が減少しております。
減少率は24%です。減少率は、教室数よりも大きいですよね。つまり教室数減少が7.5%だった為、1教室あたりの生徒減のインパクトが大きいことがわかります。
ここで、不思議な数字の推移が一箇所ありますね。高校生の集団だけ4.9%増加してます。前回のコラムで2013年→2017年の高校生の個別のみ4%増加してますと、記載してから1年間でこんなに生徒が指導形態の推移があります。こんな動き方は、通常あり得ないですよね。でもよく考えてみてください。予備校がかなり苦しくなっているのに、集団指導が増えることって考えにくいですよね。
これにはカラクリがあります。この経済産業省の実態調査の指導スタイルの定義は1人の先生が4人以上指導することを集団授業、3人以下の生徒を指導することと個別指導と定義しています。つまり今業界で加速しているICTを使った指導スタイル、自立学習で指導するスタイルは集団指導の定義に入っているということです。従来型の個別指導から、新たなICTや、自立型のスタイルに変化しているという証明になるということですね。
小学生、中学生の通塾生の激減が深刻化
先ほどの生徒数を指導スタイルに関係なく、小学生、中学生、高校生で比べてみました。減少率は、小学生28%、中学生は、24%、高校生は11%です。
いずれにせよ、生徒減少に歯止めがかかりません。
学習塾市場は拡大している!法人企業は、大幅躍進!
学習塾の年間売上高の情報になります。
かなり、衝撃的な数字が出てます。5年前に比べて、162億円市場が増加してます。
個人塾は、14%も売上高が下がっていて、一方法人塾は6%売上高が上がっています。
顕著に差がでています。つまり、法人企業は徹底して一人当たりの生徒単価向上に意識を向けていることがわかります。
小学生と高校生の集団指導業態の売上高が大幅増!
小学生の集団と、高校生の集団の売上高が大幅に増えています。小学生の集団指導の市場は、1年間で13.2%増えています。高校生の集団指導は、59.6%増です。先述の通り1年間で集団指導がここまで増える訳はないですから、集団指導、個別指導に該当しない業態が集団指導と判断されていることが想像されます。
小学生の集団指導の単価
2013年の単価は、15.4万円
2018年の単価は、22.4万円
となり、顧客単価が45%も向上しています。
高校生の集団指導の単価
2013年の単価は、32.4万円
2018年の単価は、55.5万円
となり、顧客単価が71%も向上しています。
高校生の圧倒的市場拡大が加速
小学生、中学生、高校生の市場の合計だけで考えてみると、5年間で小学生は2.9%増加、中学生は0.9%減少、高校生は23.3%増加。いかに高校生の市場が伸びているかわかりますね、
2013年の生徒単価
小学生 16.3万円
中学生 27.5万円
高校生 36.2万円
2018年の生徒単価
小学生 23.1万円
中学生 33.1万円
高校生 50.2万円
学習塾業界での生き残りをかけて
2018年の調査結果での分析なので、ここ2年間で大幅に学習塾業界は大きく動いています。生徒減少は加速しており、生徒単価は上昇傾向です。
生き残りのために、生徒単価を上げる必要があります。ではコース変更や料金だけ変更すればいいのでしょうか?おそらく価格をあげただけでは生徒は減ってしまいます。
価格に見合った価値を提供を見出す必要があります。
この中でも高校生の市場は差別化しやすく伸び率が高いです。
差別化とは、ブランディング戦略や、コース設計、コンテンツの提供、集客戦略、複合的に立てていく必要があります。
学習塾の生き残り競争が加速しています。この資料を参考に来年度の計画を是非たててみてください!
※出展 経済産業省平成30年特定サービス産業実態調査
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