学習塾に追い風!?経済産業省の教育分野での活動について


皆さんこんにちは。株式会社Lacicuの今村です。

今回はちょっとカタい話題ではありますが、経済産業省の動向について書きたいと思います。

アンテナの高い塾の先生であれば今、経済産業省が教育の分野にも足を踏み入れてきているのはご存知のことでしょう。

背景としてはやはり『少子高齢化』です。今後日本の人口は間違いなく減少していくわけですから、その中で日本が引き続き経済成長をしていくためには教育を抜本的に改革し、一人ひとりの生産性を上げていくしかありません。

(そもそも今行なわれている大学入試改革は主に経済界からの要請に基づくものであることはご存知のことでしょう)。

つまり、

①このままでは少子高齢化により日本の潜在成長率は大幅に下がってしまう!

②人口が減っても経済成長するためには一人ひとりの能力や生産性を上げるしかない!

③経済産業省が教育分野へ進出!

というシンプルな背景があるわけです。経済産業省の仕事は日本経済を円滑に成長させていくことですからね。それこそ日本の行く末を左右する大きな問題なわけですから、文部科学省だけに任せておけることじゃない!という危機意識もあるのかもしれません。

『民間教育の活用』と『個別最適化』

さて、では経済産業省はどのようなことをやろうとしているのでしょうか。

キーワードは『民間教育の活用』と『個別最適化』です。

ご存知の通り、教育分野の行政を司っているのは文部科学省です。しかし、それはあくまでも「公教育」の分野であって、例えば学習塾のような民間教育部門の行政は必ずしも文科省だけの専権事項ではありません。経済産業省は、一言でいうと、

「公教育」の役割を最小限にして、その代わり「民間教育」をもっと活用していこう!ということを主張しているわけです。

そして、そこで重要になってくるのが『個別最適化』というキーワードです。

「公教育」というのは、その性質上どうしても「集団的」で「平等的」なものにならざるを得ません。一人ひとりの個性に合わせ、どんどん能力を伸ばしていくというよりは、なるべく脱落者を出さないで、平均的な人材を育成することに主眼が置かれているわけです。

しかし、経済を成長させるという観点から考えると、平均的な人間だけでなく、ある意味バランスは悪くても突き抜けた人材というのも必要になってきますよね。

そのためには基礎科目だけではなく、特殊な学びの分野なども考えていく必要が出てくるというわけです。

そこで、近年の公教育には「英会話」「プログラミング」「ダンス」など新しい授業がどんどん入ってきています。しかし、もちろんこのような新しいことを学ぶことは大事なことなのですが、これを公教育でやることがいいのか、という問題があります。

当然ですが、英会話やプログラミングだって将来必要な人とそうでない人がいます。「これからは英語が喋れないとダメだ!」というのはよく耳にするフレーズですが、別に英語を喋れなくても務まる仕事は沢山あるわけです。あるいは将来プログラマーにならない人まで公教育においてプログラミングを必修でやらせてしまうのはある意味非効率と見ることもできるでしょう。

(将来なりたい職業や、やりたいことを見つけるためのきっかけとしてそのような分野の授業をやることは必ずしも悪いことではありませんが)。

であれば公教育の役割は最小限にし、英国数理社のような基礎科目以外は民間教育に任せる、というスタンスはある意味理にかなっていると私も思います。

例えば、中学生くらいでプログラミングに目覚めたので、英国数理社を多少お座なりにしても、プログラミングに熱中するという子がいても良いと思うんです。そしてその場合、公教育でやるよりは民間のプログラミングスクールに通うという方法が最も合理的です(もっとも優れた子はどこにも通わず自分で勉強すると思いますが)。

要するに、一人ひとりの興味関心に合わせて柔軟に学びたいことが学べるようにするには、硬直的な公教育よりも、創意工夫に富んだ民間教育を活用した方がより効果的かつ効率的なのではないか、というのが経済産業省の考えであると思われます。

民間教育の重要性

もちろん経済産業省も、教育というものに対して必ずしも精通しているわけではありませんので、当面は試行錯誤しながらやっていくことになるでしょう。

また、文科省との省益争いなどもあるでしょうから、「公教育の役割を最小化」しようとしても、長い茨の道が待っていると思われます。

しかし、少なくとも民間教育部門にとっては追い風になっていくことは間違いありません。別の方向から考えると、今後の日本にとって学習塾のような民間教育が大きな役割を担っていくということを意味します。

少子高齢化が進んでいく中、学習塾業界は「衰退産業」と言われていますが、決してそんなことはありません。一つひとつの塾が創意工夫を怠らず、子ども達の将来にとってプラスとなる付加価値を提供することさえできれば、学習塾業界は「成長産業」とさえ言えるのではないかと私は思っています。

受験コンパスや進路指導.netはそういった方々へのサポートのツールの一つです。私たち株式会社ラシクもそのような学習塾を支援していきたいと考えております。

 

この記事を書いた人

Lacicu 編集部

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