大学受験の進路指導に必要な考え方

大学受験の進路指導に必要な考え方

高校生が受験する大学選び、どのように考えればよいか、日々迷っていらっしゃる塾の先生も多いのではないでしょうか。

生徒の希望レベルと現実のレベル、受験までの日数、モチベーション、保護者の希望…などなど。
これらを考慮しながら最適な受験校を選んでいく必要があります。

生徒・保護者にとって一大事の受験校選び。
今回のコラムは、その進路指導について。

大学受験では何を気にしてあげるべき?

受験校決定の面談で、一番気にかける必要があるのは
・生徒のモチベーションがMAXの状態を作る
・最低でも1校は合格を出す
・生徒はもちろん、保護者も納得してもらう

の3つです。

合格判定だけを基準にした提案をすると、そこに生徒の意思はありません。
またこれまでの頑張りを否定されたような気持ちになります。
そうなると勉強へのモチベーションが下がり、安全校まで不合格ということになりかねません。

とはいえ“無謀”な挑戦だけをするのは、ギャンブルと同じです。
運に任せた進路指導は、ありえません。
安全校、実力相応校、挑戦校、のバランスを考え、戦略的に提案するのが進路指導です。

生徒、先生が良いと思った学校も、保護者の同意なくして入学はできません。
受験校を選ぶ際には、保護者の意向も考慮する必要があります。

では、このような意識の中でどんな基準で大学を選び、提案するのか。考えなければいけないのは、3つです。
➀“現役進学”にこだわるのか。
②“滑り止め”をどこまで下げるのか。
③自宅から通うのか、一人暮らしも可能なのか。

 

“現役進学”にこだわるのか

現役進学にこだわる生徒であれば、安全校や実力相応校を多くし、挑戦校は少なめにします。

安全校➀:実力相応校②:挑戦校➀のバランスがよいと思います。

昨今、私立大学が定員を厳格化したことで安全校でも合格が難しくなる傾向になりつつあります。
浪人をすることができない、絶対に現役合格にこだわる生徒には、安全校の割合を増やし、確実に合格を出す受験校選びが必要になります。

“滑り止め”をどこまで下げるのか

“滑り止め”のレベルをできるだけ高くしたいのは生徒も保護者も同じだと思いますが、どこまで下げることができるのか。
希望レベルから離れた大学に行くのが嫌であれば、その分安全校レベルを多くしないといけません。
日程を考慮すると、挑戦校の数を減らさなくていけない場合もあります。

自宅から通うのか、一人暮らしも可能なのか

自宅から通うのが必須であれば、必然的に近隣の大学がターゲットになります。
生徒の通学圏にある大学で、安全校や実力相応校を探す必要があります。
しかし、例えば医学部は地方の国公立大学の方が、試験科目が少なくチャンスがあると言われます。
都内の私立大学に限定して探すよりも、地方を視野に入れて大学を探す方が選択肢が広がり、合格の可能性が高まる場合もあります。

このような生徒の受験校選びをどのように管理、指導すれば良いでしょうか。
生徒任せにしてしまう学習塾もあると思いますが、「強い高校部」を目指す先生方には、是非この受験校選びの部分で他塾との差別化を図ってください。

では、どのように日程を組んで、生徒・保護者に伝えていくのか。

受験日程をどのように組んでいくのか。

さて、色々な基準で選んだ大学をどう組んでいくか。私は、まずは生徒に希望する受験日程を書かせます。この時点では生徒は希望や現状をよく見ずに書いてきます。ここからが先生方の出番です。

・受験日程は過密になっていないか。

受験日は3日続くと体力的にしんどいだけでなく、直前に過去問を確認する時間が取れません。また、合格発表日と手続締切日を確認してあげると喜んでもらえます。

・生徒の実力と志望校にギャップがあり過ぎないか。

生徒の模試の成績から、C判定を実力相応校として考えて受験校のバランスをとります。この時に、A判定レベルの大学をいくつ設定するのか、共通テスト利用入試で合格を狙っていくのか、こちらも戦略になります。

もし、「浪人をしてもいいから、MARCH以上に行きたい」という希望の家族であれば、安全校より挑戦校を入れてあげた方が生徒のモチベーションはあがりますよね。

以上のような点に気をつけて、生徒の受験校・受験スケジュールを決めてあげてください。

大学受験の結果に保護者は…

大学受験は、合否が非常に微妙な勝負です。

昨今、私立大学の定員厳格化が大きく話題になっていますが、有名私立大学は特に合格を勝ち取ることが難しくなってきます。

受験後の生徒、保護者の心理はどうでしょうか。

ここからは私見ですが…生徒は自分の味方になってくれる先生であれば、結果に関わらず自らの大学受験を肯定的に見ると思います。もちろん、「もっと早く始めればよかった…。」「夏にもっと頑張ればよかった…。」と思うかもしれません。しかし、「この塾にしなければよかった!」や「〇進ハイスクールにすればよかった!」と思うでしょうか。

また保護者の心理も同じです。

自分の子供のためにいろいろと親身になって相談してくれた先生に対して、結果のみを見て文句やクレームなどを言ってくるとは思えません。日々の指導や、進路指導の場面で生徒の寄り添い、その子のためを思った提案をすれば、結果に関わらず満足してくれるはずです。

経験上、不合格になってしまう場合も、それまでの教科指導や進路指導を丁寧に行い、保護者様のご理解を得られれば、感謝していただくことが多いです。

逆に言えば、進路指導を曖昧にして不合格になってしまうと、塾としての評判を下げてしまう恐れもあります。生徒にしっかりと寄り添い、生徒が納得する進路指導を行ってください。

最後に…

生徒の受験校管理をするのに最適なツールが、「進路指導.net」。生徒が登録した大学学部の入試日はもちろん、願書締切日、合格発表日、手続締切日などが一覧となって管理でき、自社のブランドでウェブサイトを作成できます。

それだけでなく、志望校検索を生徒のスマホでできるサービスもついています。

先生方は、管理画面から生徒の志望大学や受験日を閲覧・管理できるので、面談直前に生徒の志望校がわからない、

面談で適切な進路指導ができない、といった不安もなくなります。

是非、進路指導のお役に立ててください。

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この記事を書いた人

Lacicu 編集部

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