進路相談におすすめの本 5選
学習塾として、進路指導が必要になるシーンは多くあります。そんなときに、必要な知識を講師として持っておく必要もありますが、武器として進路指導やキャリア教育に役立つ書籍を知っておくのも大切になります。
キャリア教育に役立つ本を5つ、セレクトしました。
1.人生は攻略できる 橘玲
お金と仕事と幸せの授業
人生を生きていく上でのルールが大きく変わりつつあります。
昔の攻略法が使えなくなってきている昨今、どのように生きていけばよいのか。
幸福な人生においての土台として、
①お金(金銭資本)
②仕事(人的資本)
③愛情・友情(社会資本)
から説明をしている本著は、読みやすい文体で学生が読むことを想定して書かれています。
学習塾の先生として、子どもに今後の大まかな社会の流れを説明するのにちょうどよい1冊。
2.JobPicks 未来が描ける仕事図鑑 JobPicks編集部
会社で選ぶな、「ジョブ(職種)」で選べ
導入として、第1章は自分に「合う」仕事について書かれています。
データを元に、比較表や図で説明されているので、高い納得感が得られます。
本書の特徴として、職業の将来性ランキングに沿って紹介されています。
現役で働いているその職種の人にリアルを聞いており、実際の仕事のイメージがしやすいです。
特に、優秀な学力層の子どもは、保護者も優秀な場合が多いので、その顧客満足度を上げるためには、将来性の高い職種の話は生徒・保護者共に刺さるやすいです。
Web版のJobPicksも一見の価値あり。
https://job.newspicks.com/
3.仕事ができるとはどういうことか? 楠木健、山口周
スキルよりセンスがものをいう時代
センスを後天的に習得するものと定義し、どうすればセンスを磨くことができるのかに言及しています。
探究学習が本格的に高校のカリキュラムとして始動し、「受験のための勉強」の是非について議論が盛況な昨今。
受験産業である学習塾がどのような価値を生み出していくのかという問いの、ひとつの回答だと感じています。
様々な著作や映画に言及しながら、対話型で進んでいく構成も、生徒に伝えることをイメージしながら読める本。
4.「会社四季報」業界地図 2022年
言わずと知れたビジネスの大定番
日本のビジネス全体を俯瞰してとらえるには最適なのは言うまでもありません。
これを毎年買って見比べている人はどれぐらいいるでしょうか。
業界地図をおすすめする理由は2つ。
一つ目は、様々な業界が相対化して見れるようになること。
生徒の興味ある業界がどれぐらいの市場規模で今後どうなっていきそうなのか、
その情報は学生ではなかなかたどり着かないため、塾の先生が提供することに大きな意味があります。
二つ目は、社会の変化の速さを感じられる点。
その動きを敏感に察知して、本人の興味と結びつけることは先生にしかできないことです。
業界地図を一緒に見ながら対話できる先生が増えたら、それだけでキャリア教育が変わる可能性を感じています。
5.働き方の人類学 コクヨ野外学習センター
仕事と自由をめぐる8つの対話
人類学の教授が、それぞれのフィールドワークで得た知見から「働く」ということにフォーカスして対話している本。
日本人にとって当たり前のことが、ある民族や社会では当たり前でないことがよくわかります。
それは世界全体でもいえることではないでしょうか。
既存の価値観が大きく揺さぶられる体験ができ、それだけでも一読の価値があります。
そしてそれを元に生徒の価値観を揺さぶり、進路について深く思考する生徒を生み出すことに繋がる本書はぜひ手に取っていただきたい1冊です。