中学3年生の高校部持ち上がりについて
株式会社ラシクの渡邊です。
今回は「中3継続」について先生方のヒントになるような話ができればと思います。
私自身、学習塾に勤務していた時にも、高校受験を経験した生徒を高校生になっても残ってほしい、と思っていました。
では、どうすれば高校生になっても残ってくれるのか、あれこれ書きたいと思います。
そもそも高校生がたくさんいる!
元も子もない話ですが、高校生がたくさんいる教室は、高校受験が終わっても中学生が残りやすい傾向があります。
それもそのはずで、中学生にとって、高校生が近くで勉強している姿は「当たり前の光景」です。
すると、「高校受験が終わっても塾で勉強する」という認識が普通になります。
大学受験に関しても同じで、受験生がいる教室は、やはり受験生が集まってきます。
では、現在高校生があまりいない教室はどうすれば良いでしょうか。
三者面談で高校生活をイメージさせる
高校受験が終わったタイミングで塾を辞めてしまう場合、高校生活をまだイメージできていません。
生徒はもちろん、保護者様も高校受験が終わった段階で塾をやめることが普通となっているはずです。
なので、三者面談の場で高校生活をイメージさせて、勉強を継続させる必要を伝える必要があります。
では、どのタイミングで話すのが良いでしょうか。
高校受験直前の11~12月、冬期講習面談を実施するのはどうか?
そのときに、「〇〇高校合格にはあとどれくらい勉強が必要か」「そのために講座はこれくらい受講しましょう」といった話が中心になると思います。
そんな面談の時に、「高校生になってもコツコツ勉強する必要があるから、塾に残ろう」と言ってもなかなか聞いてもらえないですよね。
生徒保護者からすれば、その高校に受かるための情報が欲しい。なので、「受かった後の話をされても…。」だと思います。
では、受験が終わった3月、報告の面談を実施したときに伝えるべきか?
おそらく、「やっと受験が終わったのにまた勉強か…。」「また月謝を払わないといけないのか…。」と思われてしまうと思います。
ということは、受験直前の冬期面談で話すのは遅いのです。
では、夏期面談ではどうか?
夏期講習は勉強時間を最も確保できるため、学習計画や講座の重要性、生徒自身のモチベーションアップが最重要ポイントだと思います。
なかなか高校受験後の話をするのも大変そうです。
では、新年度面談ではどうか?
生徒からのヒアリングから、志望校や1年間の学習計画をしっかりと話し合い、定期テストの重要性、受験に向けた話が多くなると思います。
ただ、このタイミングは高校に受かった後のことを想像させて、やる気にさせる時期だと思います。なぜなら生徒は「高校受験」というものに漠然と不安があるはずです。
その不安を合格後の「ご褒美」を見せることで、やる気にさせる、かなり効果があると思います。でも、勉強はなかなか「ご褒美」になりにくいのも事実なので、適切な時期とは言えないでしょう。
一番良いのは中学2年生の冬期面談!?
私自身、中学2年生の三者面談では必ず話すことがありました。
・来年(中学3年生の1年間)の重要性
・志望校のついて
・高校生活について
上記2つはどの先生も話をしていると思います。
翌年受験を控え、日々の勉強の重要性や、志望校を早めに決めることの優位性、などです。
志望校の話をするついでに、高校生活をイメージしてもらうと良いです。
「第一志望の〇〇高校受かったら、すごく嬉しいよね!何部に入りたい?でも、勉強はすごく難しくなるから、今の勉強の習慣を継続させて、コツコツやらないとついていけなくなっちゃうね?」といった話から、志望校に受かったときのワクワク感、入ってからも勉強を続ける重要性を少しずつ伝える必要があります。
また、具体的な志望校が決まっていない生徒もいると思います。
その時には、「〇〇高校だったら、部活が盛んだよね。△△高校だったら、学校行事が多いから楽しそうだよね。でも、定期テストももちろんあるから、コツコツ勉強する必要もありそうだね。」という感じで話を進めていけば良いと思います。
志望校がまだ決まっていない生徒が多い時期だからこそ、高校選択を一緒に考え、そこで勉強の重要性も伝えていきましょう。
卒塾のタイミングで伝えてもおそらく継続には繋がりません。
もちろん、中学2年生の冬期面談だけしか話をしないわけではありません。
時間をかけて定期的に伝えていくことで、高校生になっても塾に残る、という意識が作られていきます。
つまり、高校受験ギリギリや、受験後では効果は高くないのでなるべく早め早めに伝えていきましょう。
今回詳細は省略しましたが、大学別の就職ランキングや受験コンパスのフローチャートなどを見せると、保護者の方はすごく興味を持たれます。
面談ブースにあると非常に効果的ですね。
是非、今年の冬期面談から高校生活をイメージさせるような話をしてあげてください!