高校生が塾に求めているものとは
さまざまな学習塾様とお付き合いしていると、「高校部は儲からないで疲れるだけ」「以前、高校部をやってもうまくいかなかった」「結局大手予備校に生徒をとられてしまうのでやりたくない」という声を聞くことがあります。しかし、相談を受け、経営を改善させていく中で、わかったことがあります。それは、うまくいかない高校部指導には、あるパターンがあるということです。
「高校部がうまくいかない」理由
結論から言います。「高校部がうまくいかない」理由は、学年別による生徒のニーズに気づかないまま高校部を運営しているということです。
最初にこれを聞いた方は、「そんなこと言われなくてもわかっているよ」と思うかもしれません。あるいは、「生徒のニーズって、わからないところを教えてほしいってことじゃないの?」と思うこともあるでしょう。でも、それが全学年の生徒の本当のニーズに合っていると自信をもって答えることができるでしょうか。ここで、高校生が塾に求めているものについて少し考えてみましょう。
上の図は、高校生のニーズを、高校1,2年生と3年生に分けてまとめたものです。高校1,2年生の中にも、確かに受験を目標にしている生徒がいるとは思いますが、とりあえずは「高校の勉強についていきたい」「高校の試験勉強をしたい」というのが塾に求めていることでしょう。それに対し、高校3年生は、「志望校に合格したい」、だから「最短コースで効率のよい勉強をしたい」と思っています。
また、やる気に差があることにも注意です。一般に、高校1,2年生は、どうしても高校3年生と比べると勉強に対する意欲が低くなってしまいます。ほかにもいろいろとやることがあるため、ただ「定期テストのわからない箇所を週に1~2回ほど塾に来て解説を聞きたい」などという生徒も少なくありません。
しかしそうすると、いくらいい講師を雇ったとしても、また先生がどんなに頑張っても、成績があまり伸びません。こうなると先生たちがいくら頑張っても、「あの塾にいると成績が伸びない」というイメージがついてしまうかもしれません。先生たちも頑張っているのに、こんなイメージがついてしまったら、やる気がなくなってしまいますよね。運営もうまくいかなくなってしまいます。高校1,2年生をメインターゲットにしていると、このような悪循環に陥りやすくなってしまうのではないでしょうか。
それに対し、高校3年生は、受験を控えていることもあり、やる気が高いです。勉強への意欲が高いので、成績も上がりやすくなります。先生の話を聞くというだけでなく、自分で勉強を進めたいという気持ちももっています。このような生徒に、先生がすることといえば、合格への最短ルートを教えることや、目の前のわからない問題を解決させてあげることが一番です。もしこのままやる気がつづいて、志望校に合格すれば、塾も有名になります。そうすると、高校1,2年生やる気が出てきて、保護者にも良いうわさが広まり、生徒も集めやすくなります。
さてここで一息ついて考えてみましょう。高校部を経営するなら、圧倒的に後者の高校3年生をメインターゲットにした方がよいと思いませんか? 実は、「受験コンパス」を導入する際にも、この高校3年生をメインターゲットにして欲しいということをよくお願いしています。大学受験対策を難しいと感じるかもしれませんが、「受験コンパス」がそれをお手伝いします。
高校部成功の秘訣は、高校3年生をメインターゲットにすることです。高校1,2年生も、テスト勉強をしたい、学校の勉強に遅れないようにしたいと言いますが、いずれは大学進学を意識するようになります。その際に、これまでの高校1,2年生をメインターゲットにしたやり方を続けていると、いつのまにか大手予備校に生徒をとられるということになりかねません。成功する高校部をつくるには、しっかりと「大学合格」の実績を積み重ねることにあります。