『大学受験』カリキュラム作成のポイント~志望校決定のタイミング~
株式会社Lacicu、営業の渡邊です。
今回はカリキュラム作成のポイントの第二弾として、「志望校決定のタイミング」についてあれこれ書いてみたいと思います。
なぜ志望校を早めに決定するのが良いのか
志望校を早めに決定するメリットは、受験までに必要な学習量を早期に提案できるという点にあります。
早めに学習計画を立てることができれば、その分勉強時間を多く確保することができ、余裕を持った計画を作ることが可能となります。
また、受験に必要のある科目とない科目を選別することができ、効率的に学習を進めさせることも可能になります。
例えば、国語の漢文です。多くの私立文系学部の入試には漢文が入っていません。
もし漢文のない大学学部を希望している生徒は、その分の時間を他の科目に充てることができます。
特に受験コンパスを使った指導であれば、やるべき参考書を選ぶことができ、早めに受験コンパスコースをオススメすることも可能となります。
また、生徒のモチベーションを維持するメリットもあります。
多くの高校生にとって勉強はやりたくないことの可能性が高いです。
そこで、「〇〇大学に行きたいなら、今しっかりと計画通りに勉強しておかないと後で苦しくなるよ?」といった危機感を持たせ、勉強に気持ちを向けさせることもできます。
志望校決定のタイミングは、高校2年生の2学期
では、「早め」とはいつ頃なのでしょうか。
映像予備校は高校2年生の12月には「受験生モード」にさせている
某映像授業予備校は高校2年生の12月のタイミングで、勉強時間などをいわゆる「受験生」レベルに引き上げる指導を行います。
これは、センター試験までの期間を考えて、1年間しっかりと勉強をさせるためです。
1年間分の学習量を提案し、そのコースを提案するには、11月までには志望校が決定している必要があります。
映像予備校の多くは、高校2年生の2学期には志望校を決めさせている状況です。
では、どのように決めさせているのか。
高校2年生の夏休みから複数回にわたり、「セミナー」を開催し、その都度進路の情報を提供し、少しずつ生徒の意識を大学受験に向けていきます。
また月に1回進捗面談を行い、将来の話や、大学や学部、研究室の話をしながら、生徒の大学への気持ちを高めていきます。
日々のコミュニケーションはもちろん大事ですが、セミナーや面談といった機会を通じて生徒の意識を少しずつ作っていきます。
高校受験生向けに全体説明会を実施している学習塾もあると思います。
その形式で内容を大学受験向けに変えて実施してみても面白いと思います。
志望校を決められない生徒には?
理想は高校2年生の2学期までに志望校を決めて、1年間分の学習量を提案することです。
しかし、中には進路に迷っており2学期までに決められない生徒、なかなかやる気にならずに進路について考えてこない生徒もいると思います。
むしろそういった生徒の方が多いと思います。(笑)
そういった生徒はどうすればいいのか。
私が指導していたころには、暫定的な志望校を決めさせていました。
「とりあえずMARCHにしておこう」「目標は高く一橋にしよう」といった感じです。
ここでポイントとなるのは、偏差値の目安と受験で使う科目を決定することです。
具体的な志望校(例:明治大学政経学部政治学科)を決めることができなくても、偏差値の目標:60前後(進路指導.netより)、試験科目:英語・現代文古文・日本史(同じく進路指導.netより)を決めることができれば、1年間でやるべき勉強計画を立てることは可能となります。
受験コンパスを使った指導であれば、上記の情報と生徒のスタートレベル(判定テストや模試の結果など)から年間計画表を作成することができます。
年間計画表を作成することができれば、あとは日々の会話の中で志望校決定をしていく、といった流れでも全く問題がありません。
計画を立てた勉強を進めていきながら、徐々にやる気になり「やっぱり早慶を目指したい!」となるかもしれません。
志望校をなかなか決めることができず、学習計画を立てることができない、とお困りの場合には、目標の偏差値と受験科目だけでも早めに決めてあげると良いと思います。
早期の志望校決定は確かにメリットが多くあります。
しかし、大学選択は生徒にとって非常に大きな決断です。
そこを塾側の都合で決定させず、生徒の決断を待つことも大切だと思います。
それでも志望校に合格させるために、目標の偏差値と受験科目だけは先に決めさせましょう!