メルカリが博士課程進学を支援、これからの学習塾に求められるものとは?

メルカリが博士課程進学を支援、これからの学習塾に求められるものとは?

メルカリが社員の博士課程進学を支援する制度「mercari R4D PhD Support Program」を開始しました。

進学・在学に掛かる学費を全額支給 週休3日、4日など柔軟な働き方のもと、社員の研究活動・学び直しを支援

https://about.mercari.com/press/news/articles/20220128_phdsupport/

一般企業がお金を使ってまでするメリットは何でしょうか?
ここから読み取れる時代の変化とは?
教育はどのように変化するのでしょうか?

今回はこのニュースから上記を考察してみたいと思います。

メルカリが博士課程進学を支援するメリット

昨今、一度学校を離れたあとも、生涯を通じて自身のキャリアに必要な新たな知識を学び続けていくリカレント教育への関心が高まっています。高度な専門知識の習得により、個々人のキャリアの新しい可能性が拓かれ、企業にとってはイノベーションの促進や長期的な競争力がもたらされます。一方、日本では他の先進国と比べて社会人による大学院での学び直しの機会は少なく、特に博士課程への進学については、学費などの金銭的な負担や、働きながら研究時間を確保することが困難であることから、高いハードルがありました。

https://about.mercari.com/press/news/articles/20220128_phdsupport/

上記を踏まえて、メルカリが求めているものとその影響について考えてみました。

 

最先端の知識・研究をしている人材がいないとサービスとして勝てない

利益率が高いGAFAMなどは、最先端の技術や知識を持っている人材を高い給料で囲い込んでいます。

そのような人材を雇うよりも、学費を払ってでも一から育てたほうが色々な面でコストが低いことは容易に想像できます。

 

一番のポイントは、そこまでしないと競合優位性が保てないということだと思います。

 

知識や技術の進歩が急速にスピードアップしている昨今では、常に学ぶ姿勢がより求められるようになっています。

日本は大学に入るまでが勉強で、社会人で学びを継続している人が非常に少ないことがよく課題としてあげられることもあり、その点も企業として解決したいことなのだろうと思いました。

“勉強”しない日本の社会人。コロナでさらに状況悪化【5万人調査】

 

採用コストを削減することができる

会社としてこのような取り組みをPRすることにより、優秀な人材を採用しやすくなるメリットがあります。

それぐらい優秀な人材の採用は難しくなってきており、採用費が高騰していることが伺えます。

 

このニュースを受け、「メルカリに入社したい!」と思った人も多いことでしょう。

 

これからの学習塾に求められること

このニュースを受けて、学習塾目線で考えると非常に危機感を覚えました。

その理由は2つあります。
■一般企業が教育の領域に参入する事例になり得る
⇒新卒採用のために大学生の学費支援みたいなことまでこの流れが広がってくる可能性があります。
 学習塾業は参入障壁が非常に低いため、競合の範囲が拡大される可能性があると思いました。

 

■教育格差が益々進みそう
⇒学ぶ意欲がある人、主体的に学ぶ方法を習得している人材は、このような機会を非常に有効に使えるでしょう。
 しかし、そもそも学ぶ習慣がついていなかったり、必要性を感じていない人との差が明確に広がることが考えられます。
 最新の知識・技術の重要性が増すことを考えると、そこでの所得格差も益々進んでいきそうです。

 

では、今後の学習塾に求められることは何でしょうか。
それは、「人生を通して学ぶことの重要さを伝える」ことではないでしょうか。

 

学ぶことは人生を豊かにする。学ぶことは楽しい。常に学び続けることの重要さ。

これらを伝えるには、長い期間子どもの成長に関与していかなければできません。
企業はある程度短期間で結果を出さなければいけないため長期的な付き合いは難しいですが、学習塾であればそれが可能です。

 

学校の成績を上げる、受験に合格させることももちろん重要ですが、今後は長期的な学びのモチベーションをつくることを求められるのではないでしょうか。

遥かに難易度が高いことですが、学習塾にしかできないことのひとつだと思います。

この記事を書いた人

Lacicu 編集部

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