【当たり前を疑う~Unreal~ #1】大卒は本当に年収が高いのか?
▼当たり前を疑う~Unreal~
教育に携わる者として、今の当たり前がこれからもそうである保証はありません。
むしろ、変化のスピードが早い昨今では今の当たり前を疑う方法を子どもたちに伝えていくべきではないでしょうか。学習塾コンサルティング、異業界のマーケター、学校の進路指導担当、プロコーチなど、
様々な形で教育に携わる人材を抱えるLacicuならではの特集記事です。このシリーズを通して、今の当たり前を疑うような問いを皆様に投げかけていきます。
「問い」から「未来」が生まれる時代。
その始まりをつくる。
今回は教育現場でよく使われていることに、問いを投げかけてみたいと思います。
学歴別平均年収と大学進学率
参照:https://www.nenshuu.net/sonota/contents/gakureki.php
このようなグラフを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
大学院・大学卒だと、40~54歳の間で他とは賃金が大きく変わってきます。
中高生に「どうして大学に行ったほうがいいの?」と聞かれた場合、このようなグラフを利用して生徒に説明している先生方も多いと思います。
※参考 2022年時点
40歳は1982年生まれ
54歳は1968年生まれ
さて、今度は大学の進学率に注目します。
賃金差が大きかった40歳~54歳の大学・短期大学への進学率は高くても40%弱で、低いと20%を切っています。
昔は短大への進学率が10%を超えていることもあり、この時代に4年制大学に進学している人は3割弱だったわけです。
2020年度の大学・短期大学への現役進学率が55.9%であることを考えると半分ぐらいの割合ですね。
大学卒は本当に年収が高いのか?
上図の2つを見ていると、とある疑問が湧いてきます。
「今の40代・50代は大学・大学院卒の割合が単純に少なかったので、出世しやすかっただけではないのか?」
しかも年功序列で終身雇用のため、今と違って年齢が上がれば給与も上がっていきます。
大学に行く人が6割近くなってきている現在では、「大学に行く=給料が高い」という方程式は成り立ちにくくなっているのではないでしょうか?
さらに終身雇用も維持が困難なため、年齢が上がれば給与が上がる保証はどこにもありません。
大学卒という肩書が欲しいだけであれば、オンラインで学位がとれる時代です。
学生からこのような疑問を投げかけられたら、先生のみなさんは何と答えますか?
大学に行く意味は何だろう?
「大学に行く=給料が高い」という方程式が成り立ちにくくなってきた昨今では、学生は「なぜ大学に行くのか?」という問いに自分なりの答えを出す必要性が高くなりました。
ただ誰かの言うことを聞くことよりも、自分なりの答えをだすことに価値が出る時代に変化してきていると強く感じています。
そんな中、我々は学生に何を提供すればよいのでしょうか?
大学に行く意味は何でしょうか?
今後は、それらの問いに対して、
一人ひとりの個性や目的にあった提案ができる先生が求められるのではないでしょうか。