2020年インドEdtech企業最前線

株式会社Lacicuの山田です。

コロナの影響で、世界中の教育機関が大きな変革を迫られています。

日本でもいろいろなことが物議を醸しだしていますが、結局元に戻っている気がします。
海外で教育に携わっている方と色々とお話をする機会があったのですが、コロナの影響を乗り越えるために「何を変えていけばよいのか」について議論するのに対し、日本では「元に戻ること」を切望している方が多いように感じます。

変化を提唱したり、新たなチャレンジをしている学習塾もありますが、
大半の学習塾では結局オフラインの授業形態に戻っているところが多いように思います。
せっかくガラッと教育を変革するチャンスだったのですが、なかなか前に進んでいない印象です。

今回は、インドのEdtechの最新情報をご紹介致します。
日本の教育、これからの学習塾の在り方を相対化してみてみましょう。

 

爆発するインドEdtech

新型コロナウィルスの影響で、インドのEdtech企業は大きな変化がありました。

インドのスタートアップデータ調査会社Tracxnによると、2020年上半期だけで、7社のEdtech企業が買収されています(昨年同時期の買収件数は4件です)。

また、昨年の買収がBtoBのオンライントレーニング企業が主だったのとは対照的で、2020年の買収はtoC向けの分野に焦点が当たっています。

コロナの影響から、教育の根本を変革していくニーズが高いことが窺えます。

 

投資が集まるEdtech企業

インドのEdtech市場は、2022年までに35億ドルに達すると予測されています。
どのような企業が台頭しているのか、少しご紹介致します。

【STEAMROBO Technologies】
K-12(幼稚園から高等学校卒業までの13年間の教育機関)向けのSTEAM教育を中心とした幅広いサービスを提供しています。

インドでは3月末からロックダウンに入りましたが、直近数か月におけるSTEAMROBO独自のコーディングプラットフォーム「Tinker Coders」への新規登録者数が、インド国内外の無料ユーザーで5万人、有料ユーザーでは3,000人以上にのぼります。

STEAMROBO Technologies HP

【Byju’s】
以前のコラムでも少しご紹介した、K-12セグメント最大手の企業です。

https://www.lacicu.co.jp/archives/2036

7月の収益は6,800万ドルを超え、8月6日にはムンバイを拠点とするコーディングスタートアップ、WhiteHat Jrを3億ドルで買収しています。

Byju’sは2020年に入ってから既存投資家たちから5億ドル以上を調達しています。
また、8月26日には、イスラエル・ロシアの大富豪ユーリ・ミルナーのDSTグローバルから1.2億ドル以上を調達しました。

【Unacademy】
LIVE授業やテスト、パーソナルコーチなどのサービスを提供している会社です。

2月にFacebookとGeneral Atlanticから1億5,000万ドルを調達していますが、9月2日には、ソフトバンクが主導したラウンドでさらに1億5,000万ドルを調達し、ユニコーンクラブ(10億ドル以上の価値を持つスタートアップ)の仲間入りを果たしました。

Unacademy HP

 

さいごに

相対化してみると、海外の買収金額の高さに驚愕しますね。
インドでは、実際にオンラインに移行することによっての課題もさかんに議論されています。
すべてをオンライン学習に置き換わることはないといわれているところは、日本と同じです。

しかし、日本の教育業界と比較すると、技術の進歩や企業統合のスピードが圧倒的に速いことがご理解いただけたと思います。

現時点の方向性はもちろんですが、様々なことがらを相対的にみて、自塾がとりうる施策を考えていく必要があるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

Lacicu 編集部

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