諸外国の教育事情について(アメリカ、ドイツ、オランダなど)


こんにちは、株式会社Lacicuの服部です。

みなさんは、日本と海外の教育事情にどのような違いがあるかご存知ですか?学校のスタート時期が違うなど、なんとなくは知っていても、詳しくは知らないことが多いと思います。

そこで今回は、アメリカ・ドイツ・オランダの教育事情についてお話します。

アメリカの教育事情:州ごとに異なる教育体制


まずはアメリカの教育事情からみていきましょう。

アメリカでは、州ごとに教育体制が異なります。
地区ごとに選挙で選ばれた教育委員が中心となり、教育カリキュラムや方針を決めていきます。小・中・高の教育年数も州によって異なり、4・4・4年制の地区もあれば、5・3・4年制の地区があるのは日本とは大きな違いですね。

また、まだ日本では浸透していない「ホームスクーリング」を選択する人もいます。
学校には通わず、自宅で学習する教育方法です。日本で自宅学習をすると聞くと「不登校」「引きこもり」というレッテルを貼られてしまいがちですが、アメリカでは一般化されています。

メリットは、

・子どもの性格や個性に合わせて学習できる
・いじめ問題などから守ることができる
・好きな時に学習できるので、家族の予定を合わせやすい

などが挙げられます。

このようにアメリカの場合、

・教育委員を選挙で選べる
・ホームスクーリングも一般化されている

ため、保護者や子ども自身が、自分たちが求める教育を選択できる裁量が大きいことがわかりました。

ドイツの教育事情:10歳で将来の選択


次にドイツです。

日本では、大学に進学するか?専門学校に進学するか?など、人生の岐路にはじめて立つのは、多くの場合18歳の高校3年生の時期であることが多いですよね。

しかし、ドイツにおいては人生の岐路が、10歳の小学校を卒業するタイミングでやってきます。小学校卒業のタイミングで、下記のどの学校に行くかを選択しなければなりません。

・大学進学を目指す8年制コース Gymnasium(ギムナジウム)
・職業訓練を受けるための5年制基幹学校 Mittelschule(ミッテルシューレ)
・卒業後に専門実技学校に進むための6年制の中等教育学校 Realschule(レアルシューレ)

もし10歳の頃にこの選択をしなければならなかったとすると、多くの人は「難しい」と感じるかと思います。
実際にドイツでも、10歳で将来が決まってしまうことを問題視する人はいるそうです。

ここまでドイツの教育事情が深刻に思えてしまうように書いてしまいましたが、ドイツの教育には日本にはないメリットがあります。

それは、公立校においては、小学校から大学院まで教育費が無料ということ。
そのため世帯収入の格差によって、教育格差が起こるということはなく、努力次第で誰でも平等な教育を受けられる環境が整っています。

オランダの教育事情:最大の特徴は「自由」

最後に紹介するのは、オランダの教育事情です。「世界一の教育」と呼ばれる、オランダの教育。最大の特徴は「自由」です。

何が自由なの?と感じていると思いますので、いくつかピックアップして紹介します。

まずは学校運営サイドの自由としては、

・学校が教育カリキュラム・教育方針を自由に決められる
・200人以上生徒が集まれば、新しい学校を立てることができる

というポイントが挙げられます。

「座学」に特化した学校もあれば、7~9歳などの年齢が異なる生徒をひとつのクラスにまとめて授業を進める学校などさまざまです。また自分が「こんな学校を作りたい!」と目標を掲げ、人数が集まれば学校を設立するチャンスもあるのはユニークですね。

そして、保護者と子どもの自由は、

・学区制限がないので、好きな学校を選べられる
・飛び級、留年が選べる

という部分。

学区制限がないため、保護者は自分たちの教育方針や子どもの雰囲気にあった学校を自由に選んであげられます。飛び級、留年を選ぶことができるのは、それぞれの子どものペースに合わせて学習できるメリットがあると言えるでしょう。

学校・保護者・子ども、教育に関わる全ての人に自由な選択肢があるのは、オランダの特徴であるということが見えました。

まとめ:3カ国の教育事情をみて

みなさんは、3カ国の教育事情をみてどのように感じましたか?

日本教育との大きな違いは、

・州もしくは学校が教育方針を決める
・日本より早い段階で将来を考えるタイミングが訪れる

という部分だと思います。

教育に正解はありませんが、日本の教育方法が全てではなく「こんな教育の仕方もあるのか」と参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

Lacicu 編集部

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