【2019年度最新入試情報】歩留率と定員充足率
株式会社Lacicuの山田です。
大学入試の志望校について、すでに決まっている生徒も多いと思いますが、まだまだ最後まで悩んでいる生徒もいるのではないでしょうか。
今年の受験生の傾向として、現役志向が強いということは以前コラムで書きました。(詳しくはこちら)
事実、今年の推薦・AOの倍率は非常に高かったようです。
今回は、2018年度と2019年度の歩留率と定員充足率を分析してみました。
進路指導のプロとして、このあたりの数字で話ができると保護者の信頼度はぐっと上がります。
参考にしていただければ幸いです。
歩留率、定員充足率の比較(2018年、2019年)
歩留率=入学者数÷合格者数(補欠合格も含まれる)
入学定員充足率=入学者数÷入学定員数
※蛍雪時代編集部「大学の真の実力 情報公開BOOK」2018年度用、2019年度用(旺文社)
歩留率に関して、保護者の方にはこの数字を見せただけでも結構驚かれますので、進路面談のときにご活用ください。
全体的な傾向としては、歩留率はほぼ変わらないか、微減のところが多くなっています。
本来であれば、合格定員を減らしているのであれば歩留率が上がるはずです。
そうなっていないのは、併願で受ける数が増加していることが予想できます。
定員充足率に関しては、2018年度では、MARCHや関関同立以上の上位校は意識して定員割れを起こしていると思われます。
文部科学省による大都市部の大規模私立大学を主な対象とした、定員超過抑制の施策の影響でしょう。
事実、玉突き的に日東駒専や大東亜帝国の定員充足率は高くなっていました。
2019年度になると、MARCHの引き締めは若干緩和したように見えますが、関関同立はより厳しい状況だったのではないでしょうか。
定員充足率が低いと、翌年度の合格者数を増やす傾向が強くなります。
予定していた入学金や授業料が入らなくなるので、翌年度で取り返そうというバイアスが働くためです。
あくまでも予想になりますが、併願校で悩むご家庭にはこういった視点でアドバイスをするのも良いのではないでしょうか。
最後に
今回は関東、関西の上位校のみをまとめましたが、同じように日東駒専や産近甲龍を分析すると様々な気づきが得られます。
また、歩留率や定員充足率だけでなく、定員数の推移や一般入試入学者率など、複合的に見るとまた違った視点で分析が可能です。
今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひご自身でも調べてみてください。
ご質問やご相談がありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。