【グローバルEdtech最前線】これからの学習塾のライバル

株式会社Lacicuの山田です。

 

弊社代表の服部が書いた「AI教材って導入しなきゃダメなの?」というコラム(まだ見ていない方はこちら)に触発され、渡邊に続いて私もコラムを書こうと思います。

今回はAIも含め、Edtechの最前線を追っていきたいと思います。

個人的な意見としては、AI教材は導入すべきだと思っています。(もちろん服部の意見は最もで、敵対しているわけではありません笑)

他業界と比較すると、やはり学習塾業界のITリテラシーは低いと思っています。今後世界で戦っていく子どもたちを教育しないといけない先生方は、むしろどの業界よりも積極的に活用していくべきだと私は考えます。

長期的な目線で考えたときに、高度IT人材を教育業界にきてもらうにはどうすればよいのか?そのためには教育業界の高利益化、働き方の改善が必須になるのではないでしょうか。

その中で、人間でないとできないこと、塾の先生でないとできないことを見出していくべきだというのが私の考え方です。

反対の意見もあると思いますが、むしろそこはディスカッションしていきたい部分ですね。

 

さて、それでは今後ライバルになるであろう、世界のEdtech企業の事例をご紹介します。

 

日本のEdtechについて

上記が日本のEdtechのカオスマップです。

Edtechという言葉はかなり広義になりますので、学習塾業界と直接関わり合いがあるところもあれば、ないところもあります。

ただ、今後はこの領域がかなり曖昧になってくることが予想されます。

国が主導してリカレント教育に力を入れ始めたことから、社会人教育を手掛けていた企業が業績を伸ばしていますが、垂直展開して高校生向けを出してくる可能性が容易に予想されますよね。

 

ちなみに、日本の2018年度Edtech市場規模は2,185億円で、前年度比9.3%増でした。

 

Edtechユニコーン企業

それでは、世界の市場に目を移してみましょう。

世界のEdtech市場は、2020年には11兆円を超えると言われています。

 

現在世界にはEdtechのユニコーン企業(企業評価額が10億米ドル以上)が9社あります。

5社が中国、3社がアメリカ、1社がインドです。

いまいち規模がわからない方のために比較を出しておくと、今日本で非常に勢いのある、AI教材を提供しているatama plus社の推定時価総額は約107億円です。(これも十分すごいですが)

日本では教育事業は儲からないという固定概念がありますが、Edtech先進国の中国はとてつもない規模で投資が行われ、すごいスピードで進化しています。

 

それでは、どのような商材が現在注目されているのか、Edtechユニコーン企業をいくつかご紹介します。

 

・BYJU’S(2011年創業@インド)

GRADE4~GRADE12(日本での小4~高3にあたる)の生徒向けの授業動画配信サービスを提供している会社です。

各教科コンテンツを網羅しており、有料会員は年間40万人といわれています。

もともとインドの有名カリスマ講師(BYJUさん)による塾を起源としています。2003年から個人塾を開業し、2011年にVCから資金調達してオンライン予備校メインの事業に転換しています。

 

特徴としては、講師が映像授業の中で3Dコンテンツを使って授業するなど、映像コンテンツの作成方法を非常に工夫している点です。また、わからない箇所については、電話もしくはインド内のリアル塾教室にて、無料で質問を受け付けています。

また、カリキュラムについては、学習進捗に応じてAIを活用した個別最適化した調整が可能です。

 

https://www.youtube.com/watch?time_continue=32&v=YbUjixeNoJI&feature=emb_title

この映像を見て、自分の授業がこれに勝てると思いますか?

 

・Yuanfudao(2011年創業@中国)

中国におけるEdtechの王者的なサービスで、オンラインでのLIVE映像授業配信と、1:1チュータリングセッション(質問対応)を提供しています。先述のBYJU’Sとは異なり、講義動画の録画コンテンツは提供していません。

事前に用意してある授業準備用の教材(PDF)をチェック→授業に参加→授業終了後、オンライン上で復習問題を解く、という流れです。その正答率に応じてカスタマイズされた様々なLIVE授業がレコメンドされるという学習サイクルとなっています。

有料会員数は公表されていませんが、おそらく2017年時点で100万人前後とされています。無料会員を含めた生徒数は2018年時点では1.6億人と発表されており、さらに急進中です。

中国のオンラインチュータリングプラットフォーム「Yuanfudao(猿輔導)」、シリーズEラウンドを経てユニコーン企業へ

このサービスがあれば、本当に塾に通う必要がなくなると感じました。

 

・iTutorGroup(2004年創業@中国)

オンライン英会話の「vipabc」を提供しています。これが、今までのオンライン英会話サービスとは一線を画しています。

自社開発のビデオ通話プラットフォームやAIによるデータ分析によって、それぞれの生徒にとって最も適した先生、クラスメート、そして教材を自動的にマッチングしてくれるというものです。

また、有資格者しか採用しない厳格明瞭な採用基準で一流のレベルの講師を30,000人以上、グローバルで確保しています。この数字がいかに大きいかは、日本全国のすべての語学講師人数の合計が約1万人であり、日本国内のオンライン英会話トップ10の講師合計人数よりも多いことから理解できると思います。

現在は135の国でサービスを提供しており、そのコースは英語から始まり、今や中国語や数学、コーディングなど多岐に渡ります。

 

https://www.vipabc.co.jp/netcolumn/brief_introduction

 

最後に

他にも色々とおもしろいサービスを提供している会社はたくさんあります。

ご紹介した企業は超有名ですが、ご存知ない方もいたかと思います。なぜかと言うと、日本の教育はガラパゴス化しているからです。

・海外から見ると、市場が伸びないため進出する魅力がない

・日本語という単一言語に対する費用対効果(システム改修など)

という理由から、海外の教育サービスが入ってきづらい環境に助けられていると私は思っています。

これからの学生は、これらのサービスを使って効率よく勉強してきた海外の学生と競争しなければなりません。

 

すでに日本で広まってきているサービスもありますし、将来的にはこれらのサービスが塾のライバルになってきます。しかも5年以内にです。

この状況で、今と同じ指導方法を続けますか?

今年はまだ大丈夫だから来年考える・・・となりますか?

今と同じ指導で、世界で戦える人材が育てられますか?

 

活用できるものは積極的に活用していき、その上で自分が上乗せできる付加価値を考えていくという発想が重要になるのではないでしょうか。

 

ぜひ、世界最新のEdtechについて調べてみてください。

この記事を書いた人

Lacicu 編集部

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